応募部門 住宅
受賞者名 遊空間設計室 高野保光
作品名 まちなみに参加する旗竿地の住まい


●まちなみ配慮のポイント
 まちなみに参加することが難しい旗竿地の住宅がいかに街の風景になりうるか。旗竿地の特長を生かし、街にオープンスペース(奥行き)を提供しケイソウ土の塀や竹、木のサッシ、ドアによる小さくて優しいファサード。
敷地の奥に家の一部がチラッと見える住まいではない、旗竿地の街並参加型住宅の1つの試みです。

講評
 通称、路地状敷地とか旗竿地と呼ばれている敷地は、前面道路との接道長さが短く、奥で広くなる。そのため道路から家の姿は見えにくくなる。どんな家が建っているか解らない場合も多い。街並みへの参加は、どちらかといえば諦めている場合が多い。通路部分は無性格な空き地であったり、駐車スペースとなっている。
 この作品では、間口が狭く、奥行きの長い通路部分をしっかりデザインしている。通りがかりの人の視線を地面に集めるように低い高さのデザインで奥までひっぱり、アイストップとして幅1.25m、高さ5.2mのシンプルな玄関の姿が緊張感のある空間をつくり出している。緑の計画、ライティングの計画も全体調和を効果的に盛りあげている。
 この家に住む人は、通路から曲がって入る時楽しい気持ちでこの道を歩くだろうと思う。住む人までイメージする、それこそ気持ちよい街並みといえる。

「まちなみ住宅」100選 審査委員会
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