応募者名 株式会社ゼロワンオフィス 伊藤 正
作品名 J-alley(ジェイ アレイ)


●まちなみ配慮のポイント
かって町屋・長屋に見られた路地に面した格子は、ファジーな結界を作り出しており道行く人と中での生活者、双方に恩恵を与えていた。
そこには自宅前の通りを自分の庭の様に大切にする、といった共存関係があった。
生活のプライバシーに関する意識の違いも当然あったであろうが、「通り」と「家や生活」のいい関係があったように思われる。
現在ではその意識も大きく変わり、道路は市など公共のもの、他人のものといった意識がある中で、応募建物である「J-alley」は、塀を取り払い、通りに向けた住まいの顔を作った。
見られることを意識した建物だ(プランニングをはじめ窓の位置、大きさ、格子のエントランスドア、バルコニーの手摺幕板をフロストガラスにするなど)。
このように通りに対する配慮をする事により、通りと一体となって、潤いと広がりを提供できたのではないかと思う。
街並みを配慮する事によって「通り」とのあたたかな共生関係が築かれ、結果、散歩も散策もたのしい「通り」が生まれるきっかけになればと思う。
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