応募者名 大西 憲司
作品名 御領の家


●まちなみ配慮のポイント
 敷地は、木の橋や水路に面して段倉や田舟が浮かび昔の面影を残している水郷集落の一画にある。地域の貴重な歴史的財産ともいえるこの美しい水郷風景を守り継承していくことが大きなテーマとなった。敷地には120年程前に建てられた母屋・蔵・長屋門が残っている。それらが老朽化したことと、現代の生活では使いづらいということで、建てかえることになった。
 母屋の外観は、蔵のデザインに合わせて全体の構成を統一した。蔵と長屋門に関しては、周辺の景観を配慮してそのまま残し、改修、再生する事にした。道路沿いに、目板瓦を載せた焼き杉板の塀を巡らし、隣接地の土塀と共に通りに対し、連続感をもたせている。又、駐車場をオープンにして、低く積んだ石垣と植栽で囲み、駐車場、道路、水路、木の橋が一体となる空間を意図した。時間の経過と共に周辺環境に溶け込み、より美しい水郷風景になり、道行く人や地域の人達が安らいでもらえる事を願っている。
入選者一覧表へ戻る