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松村: |
有木さんは農家民宿的なものを広く知っていて、その上で移住先として南大隅町を選んだわけですね。何が魅力的だったのでしょうか?
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有木: |
移住の前には泊まり込み農作業体験をしましたが、その時の印象が決め手になりました。具体的には三つほどあります。南大隅町の農家による民泊受け入れは、外国人留学生の農業実習を受け入れた1981年に始まり、1995年からは東京農業大学アジア・アフリカ研究会の国内実習先になります。後者の窓口を務めてきた梅木さんⅰと意気投合したことが一つです。もう一つは南大隅町の取り組みが、単なるホームステイでなかったことです。受け入れ先の農家さんたちは、「将来を担う若者たちのために」と無償で、「他人でもお客様でもなく家族の一員」として自然体で学生を受け入れています。また、「外から来る人だけじゃなく自分たちも学びの機会になる」とおっしゃいます。それから南大隅町の土地柄も印象的でした。民泊受け入れ農家との飲み会は、よくある堅苦しい飲み会ではなく、世代や性別が入り交じるような状態で、初めて参加する人も遠慮なく意見を言えるような雰囲気が面白いと感じました。
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松村: |
南大隅町を訪れるのは3回目になりますが、確かに異種格闘技戦みたいな飲み会になりますね、毎回(笑い)。
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- 梅木涼子:南大隅町へのほぼ最初の移住者。1995年から東京農業大学の農業実習生の受け入れ窓口となる。2019年よりNPO法人風と土の学び舎の理事長。
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