講演+インタビューシリーズ『ライフスタイルを見る視点』


9.山晴荘オーナーインタビュー2
山口:  ここは共用のリビングです。みんな仕事をしているんで意外と昼間は空いています。帰ってきた夜10時頃からガサゴソとやっている感じです。コタツにしたらみんな喜んでくれて、ふと見ると冬は誰かがここで寝ている(笑い)。

最初はこうしたスペースがあると騒いで近所迷惑にならないかなとちょっと心配でしたが、取り越し苦労でした。近隣の人にうるさくないですかって聞いても、お互い様だからみたいなことを言ってくれます。みんなが近隣の人にきちんと挨拶してくれているからでしょうね。
鈴木:  キッチンはどうされましたか?
山口:  共用の冷蔵庫と炊飯器があります。空いている時にご飯を炊いて冷凍していますね。飲み会のときに聞くと、あれ欲しいこれ欲しいって出てくるんですよ。今言われているものがホットプレートです。
松村:  自分たちが寄付しちゃうことはないんですか?
山口:  そのパターンもありますね。鍋などは私が用意したものなのか誰かのものなのか、もう分からなくなっちゃっていますから。
鈴木:  それぞれの部屋の方はどうなっていますか?専用の家具が付いているんですか?
山口:  基本的なものは一式付いています。まずベッドと寝具ですね。手伝ってくれた学生が和室にベッドはおかしいと言って、すのこベッドを作ってくれたんです。シーツも付けていて洗濯は任せています。それと小さめの座卓とテレビがあって、80年前くらいの家具も廃棄せずに置きました。

服を掛けるところは作り付けがありますし、ハンガーもあります。部屋干しの金具を付けたので、共用のコインランドリーで洗った衣類も乾かせます。もちろん、インターネットが使えるように各部屋に配線してありますし、クーラーもあります。部屋が小さいので冬の暖房もそれで十分ですね。
西田:  そうしたら鞄1つで来れますね。
鈴木:  みなさん家具は持ち込んでないんですか?
山口:  鞄1つというと少し言い過ぎですが…、棚などは買っているみたいです。
鈴木:  昔の引っ越しは簡単だったらしいですが、我々の世代あたりから一人暮らしでも家財道具一式を持つようになって生活が重くなっていたのが、ゲストハウスの出現でまた軽くなった感じがしますね。



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