小川 |
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契約書を一件ずつ作っていきますが、お客さんとの打ち合わせの記録を一件ずつ全部ファイルにしています。
何月何日にどういう打ち合わせをしましたと、お客さんに日付と確認サインを必ずもらうんです。
というのは、普通の戸建とかリフォームだと出来上がるのは打ち合わせをしてから3、4ヶ月後なんですが、マンションだと8ヵ月後とか、
タワーになると2年後とかになるので忘れますよね。確かに契約は捺印したけど、あの時こう変えたはずだったとか、
そういうことがないように全部記録をとって、その度に見積もりをします。
マンションの計画ってプツプツ切れているんですよ。設計、パンフレット、重要事項説明書、設計変更のCAD、実際の施工図とか。
施工図はこれらを見ながら現場さんが書きますから、転記する時、絶対ミスが起こるんです。たとえばスイッチとかですね。
これを一つもを見逃すなというのは無理な話で、それで私達は変更した箇所がもれなく転記されているかどうかを全部チェックしていきます。
それから中間検査は仕上げが入る前段階で、有効寸法であるとか高さであるとか、全部契約書通りいっているかを全部チェックをして現場に報告書を上げる。
あとは竣工検査の時に仕上がり状態でもう一回チェックして、後は内覧会の時に立ちあうというのをずっと死ぬ思いでやっているんです。
この流れ、仕組みでISO9001をとりました。これはだれがやってもできる仕事で、技術的に目新しいことはないけれど、ただたいへんな仕事でリスクが大きい。
リクルートコスモスの設計の方にいた時も、50何uで、何LDKで、キッチンがこんな形だけれど、ここにお客さんがいればすごくいい提案ができるのにと思っていました。
標準プランを作る時は、対面式が流行っているから対面式にするとか、続き和室がいいといっていた時期にはそうするとか、誰が何人住むのかわからないのに決めざるをえない。
お客さんに合わせた個別対応はコーポラティブでしかできなかった。
民間の中でやるとなると、エンドユーザーって怖い素人集団で、火をつけると抑えきれなくなってトラブルが続出してしまいます。
具体的には、だいたい販売開始して2ヶ月以内に物件を買う契約をして、なおかつ標準プランでは嫌、メニュープランでも嫌、
ちょっと変えてという風に指名してくれたお客さんだけを私たちは扱うということなんです。
ちょっとしたこと、特に家具で隠れるようなコンセントとかスイッチとかやっぱり需要がありますね。
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鈴木 |
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ということは、新築マンションではそういう調整・変更は今まではできなかったわけですか?
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小川 |
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できなかったです。和室を洋室にするとか、そういうメニュープランとかは用意されているんですけど、メニュープランのこことここを組合わせて、ここを引き戸にとか、廊下をここだけ広げてここ収納とかそういうのはないです。
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