平成14年1月21日
旭化成株式会社

ロングライフ住宅
「ヘーベルハウス へそのある家」新発売

旭化成株式会社は、子育て世代向けに、もっと積極的に家族のコミュニケーションを楽しんでもらうための付加価値空間を提案した住宅「ヘーベルハウス へそのある家」を、平成14年1月25日(金)より発売します。
当社では、家庭におけるリビングの使われ方や家族コミュニケーションへの関与の実態、子供の視点から見た親や住まいとの関わり方などに関する調査を実施しました。この結果、リビングに対する意識は高く、ほとんどの人が『居間は家族コミュニケーションの場』と考えていること・子供はリビングが大好きで、小学生までは生活のすべての拠点となっていること・小学生の子供は父親ともっと遊びたがっているし父親をよく観察していることなどがわかりました。リビングは予想以上に多様な生活行為の場として使われており、リビングを更に使いやすく充実させることは、住宅に求められる重要な要素と言えます。
この結果を踏まえ、新商品「へそのある家」では、これまで当社が提唱してきた立体的オープンプランニングによる開放的なリビングに加え、もっと積極的に家族のコミュニケーションを楽しむための付加価値空間である「へそ」を提案しています。
四季折々のシーンでさまざまなイベントの舞台となる「ステージのへそ」、アウトドア的な趣味でも楽しめる「土間のへそ」、秘密の隠れ家のような「キッズアルコーブのへそ」、親から子へ思い出を受け継ぐ「ライブラリーのへそ」の4つのへそ空間は、積極的に家族がふれあう場となり、家族生活の満足度を更に高めることにつながります。この他にも、居間に関する不満点を解消する収納アイテムや、子供の家事参加や生活自立を促進する内部空間の工夫などがあります。これらは、心の充足を得て長く快適に住まうという「ロングライフ住宅」の考え方に沿って提案するものです。
外観は、家族が自然に集まる「へそ」空間を強調するため、郊外にふさわしい割石コバ積み調の外壁ヘーベルでアースカラーのツートーンとしました。また、木造校舎の窓をモチーフとした、外観のアクセントとなる「スクエア窓」が、子供が楽しく住む家を象徴的に表しています。

1 開発の背景

 当社では平成10年より、半世紀を越えて住まい手の満足を維持する「ロングライフ住宅の実現」を目標に、物理的・機能的・サービスという3つの面のロングライフ化を推進して参りました。この3要素が概ね充実してきたため、これに加えて平成12年からは「住まう人の心の充足」という視点からのロングライフ住宅の推進を図り、デザイン・居住空間・ライフスタイルなどソフト面での提案に注力して参りました。
 我が国の一般的な家庭の家族構成は、戦後の社会構造の変化に伴い、農業中心の大家族から都市部中心のサラリーマン核家族へと変化してきました。住宅の形態としてはnLDKと呼ばれる間取りが定着してきましたが、専門家の中には日本の住宅の「リビング」には実体が無く形骸化しているという声もあります。
 縮小しつつある新築住宅市場の中で、30代を中心とする一次取得者の購買層は比較的堅調に推移していますが、この顧客層の中心は、「これから家づくり・子育てを考える(子供が小・中学生までの)家族」です。その「家族」をとりまく社会背景として、父子のコミュニケーション不足・日本の住宅にも定着した「リビング」の形骸化・子供の遊び方の変化、といったことが言われています。
 当社では、このような子育て家族にとっての住まいを考える上で、親の目から考えるだけでなく、“親(特に、疎遠と考えられる父親)や住まいは、子供の目にはどのように映っているか”“子供たちは家の中のどこで何をするのが楽しいのか”といった子供の視点にも注目し、「リビングライフ調査」「子どもと住まい調査」の2つの調査を実施しました。
 今回発売する「へそのある家」では、この調査結果を踏まえ、家族みんなに多様に使われているリビングに焦点を当てて、子育て世代におけるより積極的な家族のふれあい・コミュニケーションを促進する仕掛けを提案しました。これは、家族の思い出をつくり家への愛着を深めてもらうことにより、「住まう人の心の充足」という視点からロングライフ住宅を推進するものです。

2 調査の内容と結果

(1)リビングライフ調査(平成12年実施)

目的: 家族コミュニケーションに対する親の意識や実態、コミュニケーションの中心と考えられるリビングの実態などを確認する
対象: 将来的に一戸建の購入や建替を志向する核家族の夫婦(「父親+母親+子供1人以上」の構成で住んでいる家庭の父親と母親)
結果: 1.家族が揃って何かをする家族は、生活満足度が高い
2.全般的に居間に対する意識は高い
3.家族生活満足度が高い人ほど、居間満足度も高い
4.特に父子間のコミュニケーション量は、理想と現実の乖離が大きい
5.居間の3大不満は、広さ・収納・間取りレイアウト

(2)子供と住まい調査(平成13年実施)

目的: リビングライフ調査で確認された生活実態を踏まえ、「子供の視点から見た親や住まいとの関わり方」「子供の生活自立実態と親の希望」などを把握する
対象: 首都圏の一戸建居住者で、小学生または中学生の子供がいる、30代・40代の父親または母親(アンケート調査)
このアンケート対象者のうち、小学生の子供がいる家庭の、父親20名・母親13名とその子供(訪問インタビュー調査)
結果:
1. 子供はリビングが大好きで、小学生までは生活のすべての拠点となっている
2. 小学生は父親と遊びたがっており、父親のことをよく観察している
3. 親は男女の別なく子供の生活自立を願っているが、実態はなかなか伴っていない
4. 多くの家庭で、さまざまな家族イベントを通じて親子が楽しい時間を共有している
5. 父親の関わり方が子供の家事参加や生活自立状況に影響している
新商品「へそのある家」では、上記の調査結果を踏まえ、住まいに求められる要素を次項のようにまとめて提案しています。

3 商品の特徴

1 家族コミュニケーションを促進する内部空間:「へそ」空間の提案

「へそ」空間とは、そのままでも成り立つ普通の間取りにプラスアルファで設けた、家族が集まる楽しい付加価値空間のことです。家の中で、家族がお互いの気配を感じるだけでなく、もっと積極的に家族のコミュニケーションを楽しんでもらいたいという想いを込めて、4つの「へそ」空間を提案しています。

(1)ステージのへそ
リビングに面した1階の「へそ」を一段高くすれば、普段の子供の遊び場であるだけでなく、家族の特別なイベントのステージとなります。子供の誕生会や節句のお祝い・クリスマスの飾りつけなど、四季折々のシーンで家族みんなのコミュニケーションの場として活躍します。

(2)土間のへそ
リビングに面した1階の「へそ」を土間にすれば、汚れを気にせず趣味や家族イベントができます。屋内と屋外をつなぐ空間で、自転車修理・ガーデニングといった趣味や餅つきなどのイベントをしたり、飼い犬や昆虫などの動物とのふれあいの場にも利用できます。

(3)キッズアルコーブのへそ
大きな吹抜けに面した2階の「へそ」を、1階からハシゴで上るロフトのような小空間にすれば、親子で共通の趣味を行う秘密の隠れ家として、子供だけでなく大人にとっても楽しい場所になります。子供でもスクエア窓から外部が眺められるので、外の景色や星空を眺めることも可能です。

(4)ライブラリーのへそ
リビングから2階へ上る階段を取り込んだ1・2階に連なる「へそ」に、壁面いっぱいの書棚や陳列棚と腰掛けがあれば、家族みんなのライブラリーとなります。蔵書やCDなどを収納するだけでなく、昔のおもちゃや自慢のコレクションを展示し、親から子へと思い出を受け継ぐことができる、家族の歴史資料館です。

2.居間の3大不満を解消し、家族で家事を分担しやすくする内部空間の工夫

当社が実施した「リビングライフ調査」では、居間に関する3大不満は「広さ」「収納」「間取りレイアウト」であることが確認されました。この不満点を解消し、現代の家庭で失われつつある子供の家事参加の機会を得やすく、また、生活自立を促進するために、内部空間や仕様を工夫しています。

(1)ステージ収納・スライドスクリーン
リビングでは実にさまざまな生活行為が行われています。オープンプランニングの中でリビングの3大不満を解消するためには、それらの生活行為にきちんと対応できる収納量を確保する仕掛けが必要です。
物が散らかりやすく、使い勝手が悪くなりがちな居間の収納アイテムとして、壁面全体をスッキリと使える「ウォールファニチャー」、床下の未活用空間を使う「洋室用大型床下収納」に加え、ステージのへその床下を奥までたっぷり収納として利用できる引き出し式の「ステージ収納」を採用。日用品から学用品や遊び道具までしまうことができ、子供の後片付けの習慣もつきやすくなります。
また、居間とDKの間仕切りには、半透明で大きく開放が可能な「スライドスクリーン」を用い、居間の広さや動線の問題を解決する工夫をしました。

(2)新オープンDK
限られた空間の中で、子供を含めた家族みんなが楽しく分担して食事の準備や後片付けをできるように、新L型キッチンやトールタイプ食器棚を採用した「新オープンDK」を提案しました。アイランドカウンターを中心としたレイアウトにより、複数での作業動線や使い勝手のよさを確保しながら、雑然としがちなキッチンを美しく見せるための収納計画を提案しています。
リビングとの間のスライドスクリーンや、オーニングテントとデッキテラスのオープンリビングに面したフォールディングウィンドウを大きく開放すれば、ひとつづきで使える空間が格段に広がり、光と風が気持ちいい更に快適な空間となります。

3.子供と一緒に家族みんなで楽しむ家を象徴的に表現した外観

(1)コンビネーション目地とツートーン吹付による「へそ」空間の強調
外側に突出した「へそ」部分の外壁ヘーベル版には、郊外にふさわしい自然な風合いの割石コバ積み調のジーファスタイプHJ目地を採用。併せてアースカラーのツートーン吹付により他の部分との違いを明確にすることで、幸せな家族の象徴としての「へそ」空間を強調しています。

(2)スクエア窓
通常の腰高窓よりも低い位置から天井までを上下方向に3分割したデザインの大型サッシで、木造校舎の窓をモチーフとしたものです。下枠が低いために子供の視線の高さでも外の風景を覗くことができると同時に、子供が楽しく住んでいる家を象徴的に表した、外観のアクセントとなっています。

(3)スリムタイプ換気塔
換気塔(煙突風の形状の小屋裏換気金物)のデザインについては、今までよりスリムなタイプを採用しました。家族みんなで楽しく暮らす洋風寄棟屋根の家という外観に合わせたものです。

4 「ヘーベルハウス へそのある家」の商品概要

構 造 骨  組 ハイパーフレーム(鉄骨軸組高耐震フレーム)構造
外  壁 ALCコンクリート(ヘーベル)
ALCコンクリート(ヘーベル)
屋  根

ALCコンクリート(ヘーベル)上に軽量鉄骨小屋組
強化繊維混入セメント瓦、他

販売地域 関東、東海、関西、山陽(一部を除く)、九州北部
発売日 平成14年1月25日(金)
展示場 東松山展示場(埼玉県 東松山市)4月オープン予定
戻る
adj