「高齢者住宅」とは、1980年代後半になってはじめて登場した高齢者専用の住まいです。住宅は高齢者が安全に快適に生活できるようバリアフリー設計になっており、日常的な生活支援のための各種のサービスが付帯しているものをいいます。多くの場合、集合住宅で、単身や夫婦の高齢者のみの世帯が集まって生活する住宅です。
単身や夫婦の高齢者のみの世帯が急増する中で、老後の安心を得られる住まいとして誕生しました。自分らしい老後のライフスタイルを実現するために、また、老後のより大きな安心を求めて、こうした住宅に積極的に住み替える人も増えています。
現在、こうした高齢者住宅にはたくさんの種類があります。種類によって、提供する主体や、入居者の経済条件や身体条件、必要な費用なども様々です。主な高齢者住宅には次のものがあります。


 都道府県知事の認定を受けた民間法人等が提供する賃貸住宅で、住宅はバリアフリーになっており、緊急時対応のサービス及びその他のサービスは別に契約することにより利用することができます。
 入居できるのは原則60歳以上の高齢者のみの世帯で、特に所得制限などはありません。家賃は、入居一時金と月払いの組み合わせ、または月払いのみです。所得が少ない場合には、家賃の一部が補助されます。

 地方公共団体、都市基盤整備公団、地方住宅供給公社などが提供する公的な賃貸住宅です。住宅はバリアフリーになっており、ライフサポートアドバイザー(LSA)といわれる生活援助員が派遣されており、緊急時対応や生活相談などのサービスにあたります。  
 入居できるのは原則60歳以上の高齢者のみの世帯、または障害者世帯で、所得制限があります。家賃は、入居者の所得によって違ってきます。

ふれあいむら竹末(北九州市)

 都市基盤整備公団、地方住宅供給公社、認定を受けた民間機関が提供するケア・サービス付きの住宅です。住宅はバリアフリーになっており、緊急時対応や健康相談などの基本サービスの他に、食事や選択的に利用できる各種のサービスが付帯しています。こうした各種サービスを利用するための食堂やレクレーション施設等の各種の共用施設が充実していることが特徴です。
 入居できるのは原則60歳以上の高齢者のみの世帯です。費用は、入居時に全額前払いするか、入居一時金と月払いを組み合わせる方法が一般的です。

 老人ホームの1種類ですが、ケアサービスの提供だけでなく、プライバシーの守れる生活ができる新しい種類のものです。地方公共団体や社会福祉法人等によって提供されており、施設長との契約によって入居することができます。居室は独立しており、小さなキチネットや便所が付帯しています。浴室は自室にある場合もありますが、共同浴場の場合が多いようです。
 入居できるのは原則60歳以上の単身はまたは夫婦等ですが、所得制限は特にありません。所得が少ない場合は、利用料は軽減されます。

世田谷けやき苑

 民間機関が提供するもので、食事サービスが必ずついていることがその特徴です。住宅の条件は特に決まったものはありませんが、ワンルームから2LDK程度の独立した住戸と、食堂をはじめとして各種のサービスが利用できる共用施設を備えているものが多いようです。
 入居条件は各ホームが設定しており、費用の支払い方も様々です。一般的には入居一時金と月額利用料を支払う場合が多く、一時金の額は億単位から数百万円程度のものまで幅があります。施設経営者と契約を結ぶことによって、入居できます。

 高齢者同士が集まって、お互いの生活を共同化することによって生活する居住形態です。老後を一人で暮らすには不安のある人や、気のあう仲間同士で生活したいと考える人たちが集まって、共同住宅を建てたりして、こうした暮らし方を実現しています。

 入居者同士がお互いの生活の一部を共同化することによって、家事や子育て、介護などの負担を軽減し、仲良く合理的に生活しようという居住形態です。北欧では小さな子供を持つ家族同士でみられる住まい方で、食事の用意などを入居者が交代で担当し、そのための共同台所や食事室などが充実しています。
 日本では、阪神・淡路大震災がきっかけとなってひろがり、高齢者同士が集まって相互に支え合うと同時に、公的な支援やボランティアの人々にも支えられてこうした住まい方を実現しています。近年、若い人たちや熟年世代にもこうした共同的な住まい方に感心を持つ人が増えています。

 







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