郊外戸建て住宅における喫緊の取組の必要性と将来展望
(2) 柏プロジェクトについて
柏プロジェクトの中核は、高齢者が住み慣れた地域でできる限り元気で安心して住み続ける“エイジング・イン・プレイス”のまちづくりである。厚労省の地域包括ケアは全く同じ考えである。そのために必要なことは、フレイル予防のまちづくりと弱っても住み続けられるまちづくりとである。弱っても住み続けられるまちづくりには在宅医療・介護体制の整備が必須である。柏プロジェクトでは訪問医療、訪問看護、小規模多機能型居宅介護等をサ高住の1階に誘致することによる、24時間のケアシステムを構築した。サ高住と看護・介護の事業者は別々として、囲い込みを避けると同時に、在宅介護・看護サービスをサ高住以外の周辺圏域居住者も利用できるようにしている。そして医師会と柏市行政が組んで、かかりつけ医による在宅医療を始めとする多職種による医療介護連携を推進した。
さらにフレイル予防のために、高齢者が地域で働ける生きがい就労の開発と同時に、要介護になる前の困りごと解決と弱りにくいシステムのモデルを柏プロジェクトでつくった。要介護前の困りごとの解決は自助・互助の分野であり、地域全体のネットワークで進めることが必要である。
柏プロジェクトではURが団地の敷地と賃貸住宅を所有しているので、URが介護・看護の事業者を公募して誘致し、さらに高齢者だけではなく、子育て世帯の入居を進め、こども園も誘致した。
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