シニア向けの生活サービス・パッケージ「伴奏パック」の研究

【質疑応答・意見交換】

Q:
生活相談員やヘルパーは、御社の社員ですか? また、ヘーベルヴィレッジの生活相談は御社の社員が行っておられますか。
A:
生活サービス支援事業の専門会社に委託しています。生活相談員とヘルパーは同じ会社です。弊社の管理部門とこの会社で月1回の定例会を行い、そこで生活サポートの現場で起きていることについて情報共有しています。ヘーベルヴィレッジの生活相談員は、初期は弊社社員で行っていましたが、今は全てのヘーベルヴィレッジおける生活相談員は、生活サービス支援事業の専門会社に委託しています。

Q:
これから御社内で生活サポート事業を行うお考えはありますか?
A:
何を社内で内部化するかという枠組みや、価格が成り立つかの見極めを行い、検討する考えです。

Q:
長きに渡るヘーベルハウスの将来を考えて、事業を単体で行う考えはありますか?
A:
そこまでの社内のコンセンサスはまだとられていませんが、そういう道も視野には入れています。

Q:
モニターの募集に苦心されたとのことですが、モニター募集はどれくらいの方を対象に行われましたか?
A:
ダイレクトメールやネット会員のウェブ上で数万人に募集しましたが、モニター契約は1件だけでした。顔が見える関係での募集では、30件にお声掛けして、8件のモニター契約ができました。

Q:
サービス自体は、地域包括支援センターなどと重なるところがあるようですが、モニターは御社だから安心ということがありましたか?
A:
ご本人はだれにどう頼むかがわかっていないということがありました。生活相談員が、相談内容によって、行政サービスの利用がいいですよというご紹介を行っていますし、行政ではできないところは当社へといった割り振りを行っています。

Q:
生活サポートのマーケットは、ヘーベリアンというクローズドな範囲で展開するお考えですか?
A:
それも検討中です。まだ生活サポートはモニタリング継続の段階で、商品としてまとまっていません。モニタリングでは、駆けつけサービスのニーズは女性単身で戸建てに住んでおられる方に多いようです。

Q:
「新伴奏パック」の契約期間は?
A:
現在は1年契約にしています。今後のサービス商品化の検討の中で、契約期間も決めて行きます。

Q:
常に8割の方がヘーベルハウスに住み続けたいとされているとのことですが、30年以上ヘーベルハウスに住んでいる年齢の高い方には住み替えたいとされている方はいませんか? ある程度居住者の入れ替わりがあるから、居住継続希望8割が維持されているということはないでしょうか?
A:
調査対象者は55歳以上の熟年層に絞っています。家に対する信頼感が高いので、安心して住み続けられるという方が多いのではと考えています。
Q:
弊社の調査においても、居住継続希望8割となっています。

Q:
ヘーベリアン同士での支援といったことも考えておられますか?
A:
現在のところ居住者向けのサービスやイベントはばらばらに行われていますが、居住者の特技を生かすセミナーや、講師になっていただいたくといったことはあります。そういったリソースをどう束ねるかというところだと考えています。

Q:
ヘーベルハウスは23区内で特に多いということが、生活サポートの商品化のリソースになるかもしれません。弊社でもコールセンターを設けていますが、なかなか期待通りにはいきません。
A:
中野区や杉並区などでの二世帯住宅におけるヘーベルハウスのシェアは1番です。おっしゃられるような仕組みを考えて行きたいと思います。

Q:
サ高住となっているヘーベルヴィレッジのサービスと、生活サポートは、重なるところがある。重なっているところはどのように運用するお考えでしょうか?
A:
重なっているところも研究対象にしたいと考えています。

Q:
生活相談員は介護保険におけるケアプランも、生活サポートのプランとは別につくられるのですか?ケアプランと生活サポートのプランは全く別のものだと思いますが、いかがでしょうか。
A:
生活相談員は、ケアマネージャーの資格を持っておられる方で、ケアプラン作成もできます。しかしヘーベルヴィレッジでの生活相談員としての活動では、ケアプランとは全く異なる生活サポートのプランづくりを行っています。介護保険のケアプランでは、「こういうアクティブなことをやりたい」といったことのサポートまでをまとめてプラン化することはできません。

Q:
御社がシニア事業に本格的に取り組むという新聞発表がありましたが、この生活サポートもその1つとするお考えですか?
A:
従来の請負事業をやりながら、生活サポートを商品化し、事業を続けるかは、これから2〜3年で具体的な目標数字を上げることができるかも含めて、不明なところです。

Q:
このサービスはヘーベルヴィレッジの魅力付けと言うよりは、ヘーベルハウス全体の価値を高めるためのサービス展開というお考えですか?
A:
反響を見ると、生活相談員のサービスがついているヘーベルヴィレッジよりも、家財・荷物の多さに困っているといった、ヘーベルハウス居住者にサービスのニーズがあるようです。

Q:
「子を巻き込む」取組みは、子供が遠く住んでいる場合も対応しておられますか?
A:
遠居のケースも対応しています。

Q:
サ高住ももともとは自立シニア向けの住まいを目指すというところがありましたが、実際は要介護高齢者が入居していて、自立型はあまり増えていません。御社のようなニーズから入り、費用との塩梅のいいところを掘り起こすやり方がとても興味深いと思います。自立型のサ高住では毎日の安否確認は必要なく、月1回の定期訪問で様子の変化を見守り、やがて介護につなげていくことの方がニーズに合っているのかもしれません。自立生活の中での不安の穴埋めを行うようなサービスのニーズが分かると、これからの展開につながると思います。
A:
今感じていることは、自立と要介護のファジーな期間において、見守る人のいる安心感が大事かなというところです。