地域の特性を読み解く
事例紹介>市街地タイプ

□都市型

計画地の周辺に住宅や集合住宅が建ち並び、近くに交通量の多い通り等がある場所をイメージしています。

上の図は、敷地の立地環境特性をプロットしたものです。この敷地は、調査の結果から以下の特徴が明らかになりました。

@北側に交通量の多い道路があり、騒音が気になる。道路には、街路樹が植栽されグリーンコリドーを形成している。
A敷地の前面道路はアスファルト舗装のため夏場は高温となる。
B正面に3階建ての集合住宅や児童公園があり、プライバシーを確保する必要がある。
C東隣家の庭木と児童公園の大木はクールスポットを形成している。
D児童公園は地域に生息する植物たちの生息域の一つである。また、敷地へ涼風を導くオープンスペースである。
E敷地の南側は駐車場に対しては、騒音や新たに建物が建ったときに備える必要がある。

以上のことから、この敷地の立地環境特性を活かすために、以下の事が必要だと考えられます。

・敷地周辺の舗装部分(アプローチ、駐車スペース等)は透水機能を有するものにし、ヒートアイランド化に備える。
・児童公園や隣家の庭を渡ってくる涼風を取り込む工夫を行う。
・適切な緑化を行い、プライバシー確保や日射遮蔽を行う。
・建物はできる限りセットバックをして南に空間を設け、将来、駐車場に建設が行われても建物が日陰にならないように配慮する。

最後に立地環境をプロットした家の断面図を作成します。

これまで紹介してきた一連の方法は、誰にでも入手可能な情報を計画地にプロットして分析することにより、地域の立地環境を把握し、そこで得られる環境特性を受動的な立場ではなく、能動的にその敷地のポテンシャルとして活かし、快適な住まい方を実現する第一歩だと考えます。



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